一生モノという甘い囁き。とにかくこの誘惑には負けないでいただきたいと、私は切に思うんです。それほど、巷には「一生モノ」という甘い誘惑が蔓延しているのですから!クローゼットにあるべきは、活きている服のみ!カシミアだって、シルクだって、なんだって、着れば着るほど、使えば使うほど、疲れてくたびれていくのは自然の摂理。ましてや、シルエットやディテールはわずかずつではあっても、時代におくれていくのです。だから、賞味期限のない服なんて、一生モノの服なんて、ないんです。もし、一生モノという言葉を信じて、幾度も幾度もクリーニングしてヘタっていたり、増えてきた毛玉を見ない振りして、カシミアのニットを着ているのなら、早くその一生モノの呪縛から解かれてください。一生モノと思っているのはアナタだけで、周囲の人はただ「だいぶくたびれたニットを着ているな」としか思っていませんから。それならば、こざっぱりしたコットンのニットを1着、毎シーズン買い替える人のほうが、ずっと小粋に見えるはずです。いつも清潔感が漂い、サラッと涼やかな印象になる、賢いテクニックだと思います。およそ、一生モノという言葉に呪われた人ほど、賞味期限を無視して、見ない振りをするものです。賞味期限が過ぎたら、あまり深追いしないように。くれぐれも気をつけましょう!