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マンションには欠陥なんてないのか?

いまのマンションには欠陥なんてないじゃないかと言われる人もいると思う。これがとんでもない間違いなのである。昔のように荒技が使えなくなったかわりに、最近のマンションはあちこちで少しずつ手を抜いているのだ。よくいえばコストダウンである。コストダウンはなぜいけないのか、致命的な欠陥ではないのだからいいじゃないか、という意見もある。たしかにその通りかもしれない。だが、最近の日本車で排ガスが車内に侵入して一酸化炭素中毒が続出している問題はご存じだろう。これだってアルミメッキ鋼板をステンレス製に交換すればすむ話だった。材料費は一台あたりわずか1000円程度の差である。たった1000円のコストダウンのために事故が起きたのである。マンションだけは違うと誰が言えるだろうか。目に見えない程度に少しずつ手を抜かれたマンションはどうなるか。ある設計担当者に尋ねたことがあった。すると彼は口ごもってこう言った。「すぐに致命的な欠陥はあらわれませんよ。ただ、予想外に早く老化がすすむことはたしかです。あるいは大地震のように突然のトラブルに見舞われたらどうなるか……。私だって予測はできないんですよ」